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不動産と動産を分ける遺産分割協議書について
遺産分割協議書は必ずしも1通である必要性はありません。例えば、不動産のみのものと動産のみのものと分けて作成することも可能です。
先日ご相談頂いたお客様にご提案差し上げたのですが、この方は、相続税を納付する必要性があり、そのために被相続人の預貯金から支払いたいのだが、口座がロックされてしまっており引き出すことできない。さらに不動産は分筆登記を行っており、全ての協議終了までは時間がかかるといったものでした。
相続税の納付は10カ月という納付期限がありますので、早くしなくてはなりません。その時に有効なのが動産だけ先に分割協議を結んでしまい、不動産は後回しにするという方法です。
これなら、預貯金の解約手続きを先行して行うことが可能となり相続税の納付を期限内に済ませることができるということになります。
協議書を複数作成するのは、その保管等にも煩わしさが生じますので上記のようなご事情がなければ基本的にはお勧めは致しませんが、当事務所では臨機応変にご提案させて頂いております。
平成18年5月1日会社法施行時の監査役が退任することについて
先日、平成15年に監査役の就任登記を行ったきり何も登記をされていらっしゃらないお客様から役員の変更登記のご依頼を頂きました。
現在の会社法は平成18年5月1日に施行されているのですが、その時点で以下のいずれかの要件に当てはまる会社の監査役はその時点で任期が一旦満了しますので、もう一度選任し直す必要性があります。
1.「株式譲渡制限がない会社(公開会社)」+「資本金の額が1億円以下」の会社
2.「株式譲渡制限がある会社(非公開会社)」+「資本金が1億円以上になった」会社
なぜならば、会社法施行前の監査役は資本金が1億円以下の場合は、会計監査権限のみ、1億円を超える会社の監査役は会計監査のみならず業務監査権限も有しており、これが会社法が施行されてからは、原則会計監査+業務監査権限の双方を有し、例外的に非公開会社において、定款で定めることにより会計監査権限のみを有すると限定することができるようになりました。
要するに会社法施行前と施行後では監査役の監査範囲が異なるので、施行時に一旦任期を満了させましょうという考えから来るものです。
積水ハウスの地面師による詐欺事件について
先日、私が新卒時に働かせて頂いた積水ハウスが地面師による詐欺被害にあうという事件がありました。
自分も大変お世話になった会社でもありますので、他人ごとではありません。
売買決済時、司法書士は売主の権利証、印鑑証明書、本人確認書面(免許証等)、実印の押印及び売却の意思確認等をし送金の実行を掛けるのですが、本件はそれらの書面が偽造書面だったことにより生じたようです。
司法書士は極力短時間で取引が進むよう、迅速にそれらの書面を確認しなくてはならないのですが、それを見抜けなかったということになります。
確かにそれらの書面には偽造防止の処理が施されてはいるのですが、犯罪もより一層巧妙化してきており、より慎重に確認しなくてはならないなあということを改めて考えさせられた事件です。
早く犯人が捕まり、売買代金の全額回収ができることを願っております。
ホームページをリニューアル致しました。
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相続放棄について
先日ご相続人が皆様相続放棄をされ配偶者のみが相続人となるご依頼を頂きました。
一般の方はよく「相続を放棄する」という言葉を使いますが、遺産分割協議書上で財産を承継しない時にこの言葉を使っておられるようです。
しかしながら我々専門職は通常「相続放棄」というと家庭裁判所に申し立てる手続きを頭に浮かべ、この方法をご相談者にご提案することは余り多くはありません。
なぜなら、相続放棄をしてしまうと初めから相続人ではなくなり、相続の順位が次順位に移ってしまい、手続きをするにしても書類収集が面倒になるからです。
唯一ご提案するには相続財産より負債が多い場合もしくは多いと予想される場合となります。